よく「お酢を飲むと体が柔らかくなる」等と言われていますが、実際の所は本当に柔らかくなったりするのでしょうか?
お酢で体は柔らかくなる?
肉や魚を調理する時に「お酢を入れて調理すると柔らかくなる」というものがあります。
これは、お酢に含まれる酢酸がカルシウムを溶かす性質がある事に由来。つまり、お酢を入れる事で煮込み料理等で肉や魚の「骨まで柔らかくなる」という事です。
また、お酢にはタンパク質の分解を促進する効果もあるとされていて、長時間の煮込み料理の時も少しだけお酢を入れると柔らかく煮込む事ができます。
では「お酢で柔らかくなる」は人間にも適応されるのか?
残念ながら、お酢を飲むだけでは、これらの効果は適応されません。なぜなら、飲んだお酢は内蔵で分解されるので「成分の性質をそのまま」の状態で引き継ぐ事もないからです。
ちなみに、お酢メーカーとして有名なmizkanもこんな感じで否定しています↓
確かに、魚の骨がお酢でやわらかくなったり、酢卵のように卵を酢につけると殻が溶けてしまいますが、これはあくまでも調理上でのお話です。
実際に、お酢を飲んで体がやわらかくなるという科学的なデータはありません。出典:http://faq.mizkan.dga.jp/faq_detail.html?page=1&category=19&id=1021
お酢を飲むとどんな効果がある?
お酢に体を柔らかくする効果はありませんが、体にとってどんな効果なら期待できるのでしょうか?
一般的に言われているお酢を飲む事での効果には次のようなものがあります↓
- 疲労回復効果:お酢の成分のクエン酸が、体内の疲労物質である乳酸の分解をサポートしてくれる。
- 血流改善:酢に含まれるアミノ酸やクエン酸が血流改善のサポートになる。
- 美肌効果:コレステロールや中性脂肪などの脂質が活性酸素によって酸化してしまう過酸化脂質を抑える。また、美肌の栄養素として知られるビタミンCを破壊してしまう酵素の働きも抑制する。
- 骨が丈夫になる:クエン酸は「他の栄養素を吸収しやすくする」という働きが。この働きでカルシウム吸収量も増えるので骨が丈夫に。
昔から「お酢を飲むと体が柔らかくなる」と言われていたのは、お酢の「疲労回復効果」が理由でそのように言われていたと考えられます。
- お酢を飲むと乳酸の分解が促進されて疲れがとれる。
- 「疲れがとれる」という状態を体のコリがほぐれた状態と認識。
- コリがほぐれるので、体が柔らかくなったと勘違いしてしまう。
このような仕組みで「お酢を飲むと体が柔らかくなる」という都市伝説が生まれたのかもしれません。