もともとは九州のご当地調味料でもある「柚子胡椒」。実は、胡椒という名前がついていながら胡椒は使われていないものだそう。
そんな柚子胡椒の作り方を知る事で「どんな料理に使える?」「どんな風に使うと美味しい?」という、実際の使い方を理解できるようになります。
柚子胡椒に胡椒が入ってない理由
柚子胡椒の発祥とされているのは大分県。もともと大分の農家が自分達用に作っていたものが「美味しい!」と評判になり、全国に広まっていったのだそう。
そんな柚子胡椒は、ゆずの皮(表皮)を細かく刻んだものに唐辛子と塩を加えてから、1年間以上長期熟成させて作られると言います。
実際の材料を見てみると分かるとおり、「柚子胡椒」と呼ばれるのに、どこにも胡椒は使われておらず、「柚子」「唐辛子」「塩」の3つだけとなっています。
実は、九州の一部の地方では、唐辛子の事を「胡椒」と呼んでいたのだそう。つまり柚子と唐辛子を重ねて「柚子唐辛子」と言うべき所を、古くからの表現の方で呼ぶために「柚子胡椒(唐辛子)」となったというわけです。
柚子胡椒はこう使うと美味しい!
柚子胡椒は、今の呼び方で言うなら「柚子唐辛子」です。「ピリッと辛い唐辛子に、爽やかな柚子の風味がする」と理解しておくと、どんな料理と合わせるのがいい?という発想が浮かびやすくなります↓
- 味噌汁に入れる:味噌の風味とピリ辛な柚子胡椒がマッチ。豚汁等にちょっとだけ加えても美味しい!
- うどんに入れる:七味唐辛子の代わりに、柚子唐辛子(柚子胡椒)を使う感覚で使える。
- さしみ醤油に入れる:さしみ醤油にワサビを入れる感覚で使える。ピリッとした辛さに柑橘系の風味で、魚の生臭さを相殺! 「臭みを消す」を活かして、カルパッチョ等に加えても。
- ポン酢に入れる:唐辛子と大根をベースにしたもみじおろしがポン酢との相性がいい理屈と一緒。柚子唐辛子(柚子胡椒)のピリ辛とポン酢のさっぱり感が合う。「ピリ辛なポン酢」の連想で、酢醤油に辣油と同じテイストにもなるので、餃子につけて食べると美味!
- ペペロンチーノに入れる:ペペロンの唐辛子の代わりに柚子胡椒を使用。直前すぎるとダマになり、早すぎると柚子の風味が飛ぶので入れるタイミングはやや難しい…
- ステーキと合わせる:牛タンに柚子胡椒をあわせる感じ。高級ステーキをわさびで食べる雰囲気と似ている。
柚子胡椒の「胡椒」の部分に引っ張られずに、「唐辛子を胡椒と呼んでた」と理解すると、こんな感じに「ピリ辛にすると美味しい食べ物」が連想できるので、柚子胡椒を使える幅ももっと広がるはずです。