マグロを巻いた「鉄火巻」ですが、なぜマグロなのに鉄火というのでしょうか。それには全部で3つのエピソードがあります。
鉄火巻を食べていた場所説
鉄火巻はマグロをご飯と海苔で巻いただけのシンプルな細長いお寿司。なので、片手でホイっ!と食べれる手軽さがあります。
昔は、賭博場で人々が遊んでいる時に、博打をしながら食べていたと言われていて、賭博場のことを「鉄火場」とも言われていたので、「鉄火巻」と言われるようになったという説です。
まるで、鉄に触るような驚きの食べ方だった説
今でこそ「いい魚」として扱われているマグロですが、その昔は「管理が難しく食べにくい魚」とされていました。
他の魚とは違って、塩漬けにしたりできず、すぐに痛みやすく血生臭くなるので、嫌われていたというもの。
特に、今では高級部位の「トロ」や「大トロ」は、猫も食べないものとして捨てられていました。
マグロ人気が出始めたのは、寿司にし始めた頃だと言われているのですが、当時は「そんなものを生で食べるなんて!」とも思われていたので、まるで熱した鉄に触るような行為だとおいうことから鉄火巻と呼ばれるようになったという説です。
マグロの色から説
シンプルに使っているネタのマグロの色が赤く、まるで熱した鉄のような色をしていることから「鉄火巻」と呼ばれるようになったというもの。
「鉄火丼」などはもちろん、味噌に煎り豆や牛蒡等を加えて油で炒めた「鉄火味噌」等も赤色をしていることから、一般的に言われる「鉄火巻」の由来は、この説が最も多く語られているものです。