冬眠中のクマは長い期間、巣の中で過ごしますが もしトイレに行きたくなった時にはどうすれば良いのでしょうか?
クマの冬眠中の様子
一般的に冬眠をする動物としては、リスやコウモリ等が有名です。例えば、リスが活動している時の体温は、37℃〜39℃程度なのですが、冬眠中になると2〜5℃程度と、ほとんど0℃に近い温度まで一気に体温が下がります。
一方でクマの平常時の体温は、37〜39℃ですが、冬眠する時には31〜35℃と他の冬眠する動物と比べると、体温の下がり方は緩やか。
実際、リスのように「完全に動かない」というような冬眠ではなくて、ウトウトとして睡眠に近く何日かおきに通常時の体温に戻ったり、下がったりを繰り返すそうです。
トイレに行きたくなったらどうしている?
冬眠中には、動き回ることはないにせよ、適度にウトウトしているクマ。軽く目覚めた時に尿意を催して、トイレに行きたくなったらどうしてるのでしょうか?
次は冬眠中のクマは一切排泄を行いません。つまり、トイレに行かなくても数ヶ月を過ごせるということ。
仮に人間におきかえてみると、トイレに行かない状態が続いてしまえば血液中に尿素が増加してしまい、尿毒症などになってしまいます。
冬眠中のクマは、冬眠前に蓄えた脂肪を分解して水分を作り出しているので、当然その流れで尿素を排出します。ですが、排出された尿素はもう一度 膀胱内で吸収されて タンパク質を作り出せるのだそう。
冬眠している哺乳類の器官系のほとんどは、人と比べると生理学的にも大きな違いがありますが、特にクマに関しては特殊で解明されていない部分も多く、「体温をそんなに下げないのに、代謝量を7割近くも落とせるのは何で!?(通常は体温をもっと下げないと代謝はここまで落ちない)」等の疑問点も多いです。
ですが、逆にこのあたりのクマの冬眠の不思議が解明されると「筋疾患」や「心臓病」などの新たな治療法にも応用できるとのことで、詳しく研究が進められています。